新聞読まない世代は「情報弱者」・参院選「ネット選挙」を振り返る【コラム】
NIKKEI の IT PLUS というところから垂れ流されている記事です
記者の、前回の参院選挙におけるネット世界での動きに対する雑感はどうでもいいとして、とりあえずざっくりと要約してみます
- ネット上での掲示板やブログにおける支持の流れ / 事前の投票形式アンケートと現実の選挙の結果は一致しないことがある
- アメリカでは大統領選においてネットを活用し、成果をあげている
- ネットは選挙における情報格差を埋めるのに役立つだろう
- 現状で、ネットにおける選挙情報は極端に少ない。よって、選挙情報を多数発信している新聞を読まない世代は情報弱者だ
- 選挙を有利に導くための情報は、ネット上においては「真偽が定かではない」
1つめ
掲示板、ブログ、投票アンケートといったサービスは、それぞれ利用者に大きな偏りが見られるのが自然です
よって、その利用者の偏りがある以上、現実の選挙結果とそれぞれのサービスの内容が含む支持の平均や傾向とは、一致する筈がないのです
また、ネットを利用出来る世代や個人のみが参加しての結果ですから、それ以外の人々の意見は 1% も反映されていません
もっと極端なことを云えば、ネット上で選挙について意見をオモテにしたいという人々は、とても特殊な部類に含まれるものと推測されます。例として、Google での検索ヒット数を以下に示します
トイレ の検索結果 約 37,800,000 件
選挙 の検索結果 約 33,000,000 件
カレー の検索結果 約 31,900,000 件
この結果から導かれる結論は「ネット上において、選挙はカレーより一般的に扱われるが、トイレほど興味をひかない」、といったところでしょうか
たかが便所、されど便所。選挙のことよりも便所について語りたいと思う人々の方が多い訳ですね
女性 の検索結果 約 304,000,000 件
そう、日本の半分を占める女性。これに比較すれば、選挙なんてどうでもいいことのようです
水 の検索結果 約 722,000,000 件
水は誰にでも共通の話題です。選挙など足下にもおよびません
ネット上で選挙を語っている人々の意見で総合判断を下してしまうのは、とてもとても時期尚早です。せめてテレビの選挙速報なみに情報を仕入れてきて提供してくれるサイトが出現しない限り、役立たずです。それだって当てになりませんが
よって、選挙の情報をネットから仕入れて、それを断定したり判断材料にしたりすることは、偏った人のみから提供されたものしかない以上、大きな価値があるとは思えません
ネット世界におけるとても未成熟な部分を一般の世界に結びつけようとすること自体が徒労です
2つめ
アメリカ大統領選で、投稿された動画に候補者が答え、それが有権者にとってよい判断材料になっている云々
まあ、参加者の中に ” 最初から特定の候補者のプラスになるように動く人 ” が居れば、何の役にも立たないどころか、むしろ害であるのは云う間でもありません。いわゆるやらせ質問のようなもの
ネットだから誰でも参加出来るから open だからという理由で盲信する方が馬鹿げていると感じます
インタラクティブだから凄いんだという論点も前時代的ですね。保証もないのに
3つめ。これは同意します。従来のマスがどうあれ、新たに情報を得るためのメディアが増えることには賛成です。もっとも、それ以上の価値があるとは口が裂けても云えませんが。” ただ、便利になるのはいいこと ” のみで賛成です
カビの生えた公職選挙法以下お役所やら何やらがちんたらした仕事しかしないために、有権者がより多くの情報を得る機会を失ったまま選挙に出かけさせられている点はさっさと改善して欲しいものです。何を恐れてやらないのか知りませんけど
4つめ
Google だろうが Wikipedia であろうが、” 完全なる真実 ” である保証はないにせよ、候補者の情報なんぞいくらでも手に入ります。よって、ネットユーザは、ただいたずらに指が汚れる紙の新聞を流し読みして満足している連中よりも、候補者の情報を遙かに多く手にすることが出来ます
ただ、それが可能な人々がとても少ないという点が問題ではありますけれど
それから、新聞は候補者の ” 完全なる真実 ” である情報を提供してはいません。当たり前ですね
記事を書く人間にも信条があれば、それに合わせて多少の歪曲を交えて候補者を説明するのも当たり前のこと。” 完全に中立な記者 ” が存在しない以上、新聞記事とネット上に転がっている情報に差はありません
新聞にはネットよりも正しい選挙情報が載っている、という根拠がなければ、意味をなしませんし、むしろ ” 新聞には正しい情報が載っている ” と感じる人が減ったのは、それらの事実をネット上で見つけることが容易になった為でしょうね
5つめも 4つめと大差ありません
” 既存のメディアは新参のネットよりも正しいのだ ” という勝手な大原則を押しつけているだけの話です。むしろ中傷ビラなんぞが選挙戦に大きく影響するなどという情けない状況は ” 情報量が足りないから、少ない情報で判断せざるを得ず、間違った方向に選挙が利用される ” の典型でしかありません
原点に立ち返れば、選挙という制度は穴だらけの欠陥品です。ルールを明確かつ厳密に適用しなければ、ちゃんとした選挙なんてモノは存在しないことになっています。現実もそうですし
そういう意味で、中傷ビラが中傷ブログに変わるだけの状況というのは、先に書いた通り、カビて腐って何の役に立たないジジイのケツにへばりついたシミみたいな公職選挙法を改善し、何とかして貰うしかないのです
メディアリテラシーの必要性は、これまで受け手側に求められてきた。誰もが発信できる時代になり、マスメディア側のリテラシーも問われることになる
この記事の要約として適切なのは、
” 新聞などの既存メディアを利用せず、ネットのみで得られる選挙に関する情報は限られているのではないか? よって、ネットのみで選挙に関する情報を得ている世代は、ある意味情報弱者なのでは?” という内容のネゴトですから、” 新聞を読まない世代は情報弱者 ” という要約は明らかに不適切ですね。新聞売りたいならもっと別のコトバでお願いしますよ
この低いメディアリテラシーを自らさらし「ほら、低いからどうにかしないとね」と皮肉ってみたのなら秀逸かも知れませんが、
- 紙の新聞を契約し、購読している世代
- 新聞はネットで読んでいる世代
- ネット上における新聞のみではなく、その他広い範囲から情報を得ている世代
- ネット上における新聞の位置づけを、他のネットを含む多くのメディアと並列に考え、冷静に判断する世代
この区別すら付いていないようでは、そんな評価をする訳にもいきません