教育相談所の願い~三つのワーク~

katakuri070503

平成22年度の稚内の教育がスタートしました。
稚内市の教育相談所の広い意味での願いは、『人の関わりに相談あり』です。
『人はかかわりながら生きている』
『関わりがあるから、悩みがあり、考え、苦しみ、悩み、そしてかしこくなれる』
だから、『人と人とがかかわって欲しい』
心からそう願っています。

次に、学校教育に願っていることがあります。
それは、「子どもを育てるには、親を育てて欲しい」ということです。
核家族化が進み、子育てが『放任』になり、『孤育て』になっています。
こうした傾向が益々深刻になっています。

課題をもって学校に通うこどもたち・・・。
たくさんのトラブルが生まれて当然なのが学校です。
考えてみれば、『集団』を体験したり、『関わり』を体験したりできるのは学校だけなのです。
だから、『トラブルの防ぎ方』ではなく『トラブルの解決の仕方』が求められます。
それは、『プロとしての教師』の出番です。
そんな教師が日本のゆがんだ教育を立て直すことが出来るのです。
親にもこのことをあらかじめ伝えておく必要がありそうです。

『プロとしての教師』は、子どもの中に入り、親の中に入り、地域の中に入る教師になって欲しいのです。

その意味で『三つのワーク』を呼びかけます。
『チームワーク』『フットワーク』『ネットワーク』に強い教師になりませんか。
反対の戒めとして『俺が、俺が』の教師だけにはならないようにしましょう。
今年度もよろしくお願いします。

母親の変化!

ふきのとう

母親支援懇談会レポート

「親が変われば、子が変わる」

稚内市教育相談所 所長 平間 信雄

不登校生とその母親を支援・激励する懇談会が一年を経とうとしていた。
担任が連携の軸になって懇談会が積み上げられてきた。

きょうは3月25日(木)午後4時。
四回目のきょうは、母親を中心に担任・副担・校長、そして私の5人の懇談会だ。

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母親を迎えに行った副担E先生の車が学校に戻ってきた。
不登校の生徒の『母親支援懇談会』が校長室で始まった。

いつもの進行役は私(教育相談所長)がかってでた。
校長先生の「気軽な雰囲気で気楽に話しましょう」の挨拶で始まった。

◆まず、担任のN先生が生徒の変化を話してくれる。

「『ドアトーク』から始まって依頼、ようやく顔を合わせて話すことが出来ました!」
引きこもりがちだった生徒は、担任が家庭訪問した時、決して会おうとはしなかった。

しかし、N先生はひるむことなくドア越しに語りかけ続ける家庭訪問をねばり強く繰り返した。
ついに『ご面会』が実現!
顔を向き合っての対話がこの上なく嬉しかった。
今までの苦労が報われた思いだったという。
最近は、生徒が書いたスケッチブックを見せてもらったそうだ。

「笑顔も増えました」
「返事も『ウン』『ウン』とうなずくだけでなく、具体的に話してくれます。」
「少しずつ心の中に入っていくことが出来るようになりました。」

◆次に副担のE先生。

「メールをしても返事が来ないので落ち込んだときもありました。」
「ところが、携帯料金の滞納で通信不能になっていたのです。」(笑)
「私は『嫌われたのだろうか』って本気で悩みました。」(笑)

「私は今度異動するので、約束していた通信制高校のパンフを渡してきました。」
「これからもサポートしていきます。」

◆そして今度は、母親が子どもの様子を細かく語ってくれた。

「雪かきをこまめにやってくれました。除雪車よりもきれいにやってくれます。」
「『西条』にも連れて行きました。二人で連れ立って、自由行動を現地でしました。」
「昼食は自分でつくっています。冷蔵庫にあるもので、自分で作っていました。」

「最近、勉強もちらほらやっています。少し気になっているようです。」
「親子の対話を大事にして、私の方から声かけをしています。『友達と会ったよ』とか・・・」「暗い感じがしなくなりました。春になったら、自分で出掛けるような気配を感じます。」
「生活リズムですが、朝起きるのが以前より早くなりました。」

「前のように3時・4時まで起きていることはなくなりました。」
「洗濯物を干すようになりました。自活したいみたいです。」
「ただ、した(弟)が『焼き餅』を焼くのです。それが心配です。」

「それで、『勉強を教えなくちゃ』と思い、お兄ちゃんに教えてもらって、それを弟に教えているんです。」
「以前は『がんばれ・がんばれ』って言っていたのですが、今は『大丈夫・大丈夫』って言っています。」ham084

◆うなずきながら聞いていた校長先生が最後に話した。

「あの子は、すごく字がきれいだ。だから、日記などを書かせてみたらどうだろうか。」
「『ドアトーク』から前進して対話が出来た。今度は『生活メモ』を書かせてみたら?」
「『書き初め書道展』に出品するなどして、字のきれいさに自身を持たせたいね。」

その話を聴いていた母親も「私より遙かに上手なんです」と息子をほめた。

みんな「そうだ。そうだ。」の声(笑)

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今年度最後の和やかな懇談会が終わった。チームでサポートすることの『大変さ』もあるがそれ以上に『大切さ』を学びあった一年だった。

誰もが母親の変化に感激していた。

母親は少しでも前向きに行動しようと努力している。
そのことを楽しく話をすることが出来るようになっていた。
『親が変われば、子が変わる』・・・・そう確信することができた『母親支援懇談会』だった。

次年度に向かって、三つの目標を確かめ合った。

①『つばさ学級』を知ろう。母親と担任が『つばさ学級』訪問をするところから始めよう。
②『サポートチーム』を増やし、たくさんの大人が関わるチーム支援を考えよう。
③『生活相談』支援も必要なので、担任を通じて懇談の機会を作ってみよう。

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